護身グッズカテゴリ
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護身に関する法律
正当防衛の成立要件
正当防衛の定義は「急迫不正(不法)の侵害に対して自分または他人の生命、身体、財産を守るため、やむを得ずにした行為」(刑法36条1項)
つまり相手の急迫した不法な侵略行為に対して、警察等の助けを求める時間的な余裕が無く、やむを得ず自分や家族、他人の生命、財産を守るために防戦した場合は正当防衛と見なされます。
- 侵害が急迫(差し迫っていること。)したものであること。
- 不正、不法な侵害であること。
- やむを得ずに反撃したと言えること。
- 防衛のための反撃であること。
以上の4点が「正当防衛」の成立要件です。
- 急迫であるかどうかは、ただ今、相手から暴行などの侵害を加えられているか、今まさに危害を受けようとしている。という現在進行している侵害(現行犯)に対してのみ正当防衛は成立します。
- 不正、不法な侵害であることとは、他人から暴行を加えられ生命、身体に危機が差し迫ったとき、殺されようとしている時、何かを盗まれようとしている時に自己防衛のためにする行為(防戦)が違法であっても罪になりません。また不正だが犯罪にならない行為(責任能力がない場合等や精神病者による侵害行為等)に対しても正当防衛は認められます。
- 「やむを得ずに反撃した」、「防衛のための反撃である。」とは「他にも方法が無い」という最後の手段・方法であったかというところまでは要求されていません。そこは「緊急避難」と違います。それは「正当防衛」が不正、不法な侵害に対する法律だからです。
- 緊急避難では他に方法があるのに他人を死なせて避難したら過剰避難になります。例え自分が危険であっても、他人も守れるほかの方法があれば、その方法で避難しなくてはいけません。
- つまり相手の急迫した不正、不法の侵害に対して「逃げようと思えば逃げれたが、逃げずに防戦した」場合はもちろん、一連の防戦の過程が途切れずに続いていると認められれば、逃げる相手を追撃する場合でも「正当防衛」が認められます。
- ただし、一旦防戦の過程が途切れて、新たに復讐や追撃を開始したと認められる場合は「正当防衛」とはなりませんので注意して下さい。「急迫性」や「防衛の意思」が欠けるからです。
- また「やむを得ずに反撃した」とは何かと言うと結局は「武器対等」と判断されます。素手に対しては素手、棒に対しては棒、ナイフに対してはナイフということです。具体的には、襲撃の状況、双方の人数、体格、体力、年齢、格闘の技術など全てを勘案して個別具体的に判断されます。
- 武器対等として認められれば、結果として、より重大な結果(相手を死亡させることなど)が生じたとしても「正当防衛」が成立して、罪に問われることはありません。
- ですから男性と比較して体格、体力が劣る女性が使用する催涙スプレーは、この「武器対等」の考えから「正当防衛」の成立条件を大きくします。つまり非殺傷武器であるが、防戦能力は非常に大きいことが有利になります。しかも2~3m離れた場所から防戦出来て、尚かつ複数の相手を同時に撃退することが可能です。
- また「武器対等」が認められない、つまり「相当性」を欠くと判断されると「正当防衛」は成立しません。「過剰防衛」となります。(刑法36条2項)この場合、犯罪は一応成立し、情状により任意的に刑を減刑されたり、免除される場合もあります。「過剰防衛」とは具体的には素手で殴りかかってきた相手にナイフで反撃して怪我をさせたり、死亡させたような場合です。これも具体的な事情に応じて個別具体的に判断されます。
軽犯罪法について
護身用品の所持、携帯に関する法律としては、軽犯罪法の第一条のニが該当する条文です。 下記に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。とされています。
軽犯罪法 第一条のニ
正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他、人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
警察当局の公式の見解は次のようなものです。
- 護身用品を予め護身のために携帯することは法律で禁止されている。
- 日本では護身のためということであっても正当な理由だとは認められない。
ですから没収の対象になったり注意を受けたりする。
ただしこれは大原則であって、どのような事象や行為にも適用できる様にしているからです。最高速度制限を1km超過したり、駐車禁止の場所で1分間、駐車したらすぐに違反とする。と同じことで実際には有り得ません。
第四条では「国民の権利を不当に侵害しないように留意しなさい。」との項目もあります。私達はこの第四条の存在を覚えておくことが大切だと思います。